【香港冒险纪行2015年5月_05】香港ドーナツ事情

日本では今やドーナツはミスドなどの専門店だけでなくコンビニにも配備され、ストレスと戦う国民への後方支援体制が24時間整っております。何て素晴らしいんだニッポン、そしてドーナツ!そんな愛ある丸い形に尊敬の念を込めて、その穴から世界の平和を祈念しつつの撮影する記念写真がThrogh The Donut Dhot。

香港でもその思いは変わらない、という訳で、当然ドーナツを探すのです。が、これがここまで至難を極めることになろうとは…
マクドナルド、セブンイレブン、吉野家…と、ニッポンのチェーン店は町中いたるところにあるというのに、ミスドが無い。日本の店舗よりも圧倒的に狭くてアイテム数の少ないセブンイレブンにはもちろんその姿を見ることはできません。
実は前回11月の遠征の際には、ドーナツを探すためにわざわざ海まで渡る始末。(九龍島から香港島まですけどね^^;)

基本的には何事も「郷に入っては郷に従う」私ではありますが、なぜにここまで香港ではドーナツが見つからないのかを調査せずにはいられません。しかもネット情報によれば、以前は香港にもあったミスドが数年前に撤退したらしいとのこと。なぜ香港ではドーナツがウケないのか。そこには香港の食文化が深く関わっているはずだと睨んだ私は、毎食ごとにその答えを導き出すヒントを皿の上に、そして丼の中に探していたのであります。(本当です)
そうしてたどり着いたのがこの仮説。もしかしたら、ドーナツに似た何かがすでにこの国にはあって、それが外部からの文化の侵入を許さなかったのではないだろうか?その何かとは…

『油条』

香港での俊子さんお気に入りの朝食のお粥に良く浮いているので、日本のお吸い物で言うところの「浮き実」のようなものなのかなと思えばドッコイ、実は結構な大きさです。これを適当な大きさにちぎって、お粥に浸して食べる訳ですね。


小麦粉を塩水で練って油で揚げているので、製法はドーナツとほぼ同じ。ドーナツとの違いは、甘くないことと、基本的に「おかず」として食べられてるという点。
う〜む、これはつまり、逆に例えれば、日本の食卓でおかずとしてでてくる玉子焼きを砂糖でまぶしたりチョコレートをかけてスイーツとして販売するようなものだろうか。そりゃウケないわ^^;
そういえばこの油条って、ファミレスのバーミヤンでアイスクリーム添えたりハチミツかけたりしてデザート扱いになってる揚げパンじゃないか!あれを中華圏の人が見たらどう思うのだろう???
ちなみに、油条はあくまでおかずなので、香港のパン屋さんには売っていません。香港のパン屋さんはかなりの高確率でケーキ屋さんを兼ねていて、パンの種類も少ないのです。でも思えば今の日本のパン屋さんがすご過ぎる。素敵に美味しそうなパンが並びすぎていて、さんざん目移りした後に、結局いつものカレーパンとメロンパンを買って出てくる私のような人間には、もはや選択の余地の無い方が安心したりして…
という訳で、今回の香港滞在中の朝食はずっとコレでした(笑)。
カステラパン(?)約110円。

【香港冒险纪行01】香港でLiveする日が来るとは…

晴天の香港に到着するなり李さんが言った。
「メイグーさん、今日はMCは全部メイグーさんがやってください^^」
「はわ?^^;」
「日本語でいいですから。その方がお客さんも外国からのバンドらしいって喜びますから」
「わ…わかりました。。。」

今回の李世福&ToshiMaygoo香港ツアーの目玉、香港は湾仔のLive Ber “The WANCH”でのLiveは出発間近になって楽器の輸送に高額な輸送費がかかることが判明。李さんのギターとToshikoさんのベースの持ち込みを諦めて、現地で借りることになるというちょっとした不安要素を抱えながらの旅となりました。
ドラム一式はWANCHにあるセットで問題ないと聞いていたので、私はペダルとスティックだけ持って行くことに。
でもな~意外とペダルって重いしかさばるしな~。
トランクは大きめサイズだから余裕で入るっちゃ~入るけどな~。
この際だから現場の使わせてもらって、ちょっとでも楽しちゃおうかな~(^_^;)
でもやっぱり…。まぁこの際だし…。いや、でもそれは…。
とか悩みながらトランクから出したり入れたりを繰り返した挙句、やっぱり持って行くことに。

「コイツがペダルに生まれて私の元にやってきたのも何かの縁だ。このままただのペダルで終わるかもしれないコイツを『香港に行ったことのあるペダル』にしてやろう!よし、連れて行く!」

これが理由。

私があまり物に頓着しない(ように見える)のは、実は物を擬人化しがちというか人格(物格?)みたいなものを潜在的に意識したり怖れたりするところがあるからで、そういった性質は健全な社会生活を営む上でほどほどにバランスを取る必要があるからです(笑)。

さて、朝10時のフライトで成田を飛び立ち、香港国際空港に到着したのは4時間後の午後2時。WANCHでのLiveの出番は午後11時45分(!)ということで、一旦ホテルに行って荷物を置き、香港の街を散策することに。

ところで、香港って島の集合なんですね。
香港と聞くとあのブレードランナーに出てくる薄暗くて煌びやかな電飾のごちゃ混ぜアジア丼みたいな景色や、世界各国のバックパッカーやら商人がたむろする東洋ヒッピーのワールドカップのような街角を想像しますが、その国土については良く知りませんでした。
実は中国大陸と地続きの九龍半島と、その先に散らばる実に200もの島で形成されているのが香港、つまり中華人民共和国香港特別行政区。
飛行機の窓から香港空港着陸前に海上に点在する島の様子を見ることができました。が、ほとんど「山岳地帯」です。
今回滞在したホテルは九龍半島の西側に出島のように埋め立てられた青衣という場所なのですが、地図で見た感じだと半島の横にあった山ばかりの島の周囲を埋め立てて、半島から道路一本で繋いだ様子。
山を切り崩すよりも海を埋め立てた方が効率が良いんでしょうね。日本もそうだけど、海外との貿易に主眼を置くと、内陸を開拓するより海側に発展して行くのだということが良くわかります。
かくして、青々とした自然とガチガチの人口都市があまりにも背中合わせに存在する場所ばかり。おかげで都市に密集する人口が半端ないことになっている様子^^;

ちょっと話がそれましたが…
とにかく私とToshikoさんは初の香港!街を知り尽くした李さんの後ろにくっついて街をぶらつくことになりました。
青衣駅から地下鉄に乗り、九龍半島のほぼ先端の尖沙咀へ。露店のひしめく男人街でお土産物を物色し、早めの晩御飯に海老ワンタン♪

暗くなってからフェリーで香港島に渡り、Live Barのある湾仔へ。
しかし覚悟はしていましたが、御年60歳越えの李さんは歩く歩く歩く!見失わないように必死でついて行くToshikoさんと私。

WANCHに着くと夜の11時過ぎにもかかわらず店の外にまで溢れる人だかり。店のドアは開け放たれ、往来に響き渡る大音量の演奏。今の日本ではどこへ行っても考えられない環境です(笑)。


店の外で休憩しながら様子を伺っているところに、今回のブッキングをお世話していただいた梅津さんがギターとベースを抱えて到着!そう、直前に判明した楽器輸送費問題は、現地在住の梅津さんからお借りすることで解決していたのでした。
ありがたやありがたや♪
お店のオーナーさん、スタッフさんを紹介していただき、予定時刻も大幅に押した午前0時半過ぎにLiveスタートとなったのでありました。

いつものようにインストの曲で始まり、一曲目が終わったところで、あ…ああああ挨拶しなきゃ~!(^_^;) に…日本語でいいって言ってたよな~…
ま、でもね、日本語だろが何語だろうが、聞き手にとって言ってることがわからないというのはストレスです。だからこういう時は「表情」がすべてです。
いわゆるボディ・ランゲージというヤツで、しっかり客席に顔を向けて、手をふったりして笑顔を忘れず、声のトーンは明るく少し高めに、言葉は努めてハッキリしっかりした日・本・語・で、

「香港の皆さん、こんばんは!
日本からやって来ました、李世福&ToshiMaygooです!
いつも主に日本の横浜というところでLive活動をしていますが、今回はこのバンドでは初の香港Liveです。このLiveは私たちにとってとても良い思い出になります!今夜は皆さんも一緒に楽しんでください!ありがとう!」

…というようなことを言ったかな?
すると、先ほどの梅津さんがマイクを引き継いで、英語で私たちを紹介してくれました。私のMCも訳してくれたようで、うんうん^^という空気が会場に流れたので一安心。
しかし…演奏中に客席に目をやると、地元のお客さんや先ほど演奏していたバンドの人達の顔が見えるのですが、何だかみんなに「微笑ましい」って顔で見られてるような…^^;??? いいの?李さん?このバンド、果たしてこういうイメージでい良かったん…で…しょう…か…???

まあ、そんなこんなで無事にShow Timeを終えると午前1時半を回っておりました。
それでもまだ人が店内や表の通りにウロウロしているって…あの~皆さん明日はまだ金曜日ですよね?仕事は大丈夫なんでしょうか?
ここで誰かに「知らないの?月火水木金土日なんて曜日の振り分けは日本だけなんだよ」なんて言われたら信じるところでしたよ、100%。

機材の片付けをしている間に、李さんとToshikoさんはお客さんからツーショット写真を求められて撮影会。李さんのことをご存知の現地の方と記念撮影とか♪

(写真はLive中のものも含め梅津さん撮影してくれたものです^^)
一息ついて外に出ると、表にたむろしてた若者が「Drum! Drum!」と声をかけてくれたりで握手してお礼言ったりして。
また来てね!また来るね!と、お客さんやお店の方とも挨拶してからタクシーでホテルに向かい、シャワーを浴びてベッド入ると午前5時。今朝、飛行機に乗るために朝起きたのが午前4時半。時差は一時間程度なので、ほぼ24時間起きてたことになりますな^^;
こうして香港ツアーの長い一日目が終わったのでありました。

【香港冒险纪行02】香港の街歩き

二日目からはとにかく観光!と決めていた今回の香港ツアー。
昨日のハードスケジュールの疲れを癒すために昼過ぎまでぐっすり…のつもりが、空腹で10時頃に目が覚める。考えてみれば、前日夕方の海老ワンタン以降食いっぱぐれているじゃ~ありませんか!
WANCHでいただいたコーラ2杯で水分と糖分を補給してましたが、やっぱりそれじゃもちませんでした。ということで、いそいそと着替えてホテルに併設されているスーパーで一人朝食を物色。
甘い油脂クリームの挟まったスポンジのようなパンで人心地つき、お昼は李さん、Toshikoさんと揃って、やはりホテル併設のフードコートでお粥を食す。

このホテルは香港の中心部から車で30分ほど離れた出島にあるので、周囲に店は無し。そこで、ほぼこのホテル専用のショッピングモールが併設されているのでした。
不便な場所のようですが、客室の窓から見える景色はなかなか!

しかも最上階の部屋だったので夜は大きな窓の外に九龍半島の夜景が広がります。眼下には運送会社のコンテナ置場が延々と続いているのですが、この積み上がったカラフルなコンテナがまたレゴのようで圧巻!大きなゲート型のリフトが正確にコンテナを掴んで積んで行く様子も良く見えて、工場萌えの私としては大満足の眺めでありました。

午後はホテルからのシャトルバスで尖沙咀まで行くことに。
実は昨日も乗ったのですが、このバス、時間によって最寄りの青衣駅行きと尖沙咀行きがあり、昨日は青衣までしか行けなかったのでした。
で、その行き先についてバスの運転手さん(おそらく香港人)とのやりとりが必要だったのですが、日本語通じません。そこで英語なんですが、イマイチ通じない。まぁ私の英語の発音が悪いせいだよな~とは思いつつもがんばってみたのですが、その運転手さんが「ヨボン?」と私に尋ねる。
ヨボン? わからん。
「in English?」と聞き返したら紙とペンを取り出してこう書いた。

Your room

…アンタの発音も相当アレなんだね。
要するにシャトルバスを利用するにあたって宿泊客であることをチェックするので部屋番号を言えってことなのですが、以降、この運転手さんとのやりとりは英単語と地図の指差しのみとなりました。しかしその後も「セブン、トウェンティ」と言いながら19:30と紙に書いたり、どこかちぐはぐなコミュニケーションに終始するのでありました。

尖沙咀に到着したら、とにかく街をぶらぶらお買い物。昨日に続いて露店が並ぶ女人街、そしてさらにまた男人街へ。バッタもん満載のガラクタ市といった感も否めませんが、チープな掘り出し物が見つかったりと、見れば見るほど楽しめる場所でもあります。

大きな通り沿いにはそこかしこにセブンイレブンとマクドナルドがあります。あまりに多くて目印にならないほど。
そんな香港の街はすべてが上へ上へと伸びる。狭い市街地に人口が密集しているので、住居は高層マンションとなりバスや路面電車はすべて二階建て。建造物に至っては日本では考えられない耐震構造であることが一目でわかる積み上げっぷり。地震大国ニッポンと違って耐震という概念が無いのか、それ以上に風水のご利益の方が大事なのか…ひとえにお国柄なんでしょうかねぇ。
しかし近代高層ビルの立ち並ぶオフィス街とネオン煌めく繁華街、その一本隔てた裏通りには雑多な商店がひしめいているエリアだったりと、つぎつぎと景色が変わる面白さはきっと香港という街の醍醐味なんでしょうなぁ。

そこを、香港の街ならどこでも案内しますよという李さん。これがまた歩く歩く歩く歩く(笑)。
普段から散歩が好きという李さんの健脚ぶりは覚悟していましたが、3駅分ぐらい平気でテクテク歩きます。私も歩くのは好きだし、昨日みたいにペダル(その実態は鉄の塊)やスティックといった荷物もないのでそれほどでもないですが、Toshikoさんもタフでした!本人的には出発前から着いていけるか心配と言っていましたが、なんのなんの!そりゃあ疲れはあるでしょうが、素晴らしい根性でした。
私がToshikoさんの年齢になった時に同じことができるかというと…まったく自信ないですわ(^_^;)。

何しろこの時期の香港は猛烈に蒸し暑いんです!
香港だけでなく、中国の夏は湿度がハンパないです!
同じ気温30度であっても、中国・香港・澳門あたりの湿度は90%。もう目を凝らせば空気中に水滴が見えそうな勢いです。
汗だくで歩いて、一休みでマクドナルドなんかに入ると今度は惜しみない冷房ガン効きサービス全開の店内。お腹の弱い人は夏の香港は避けた方が良いです。汗が急激に冷やされてお腹ピーピー間違いなし。よく言われる衛生面よりもこっちの方がよっぽど危険。

湿度に関しては九龍半島から対岸の香港島を臨む、この独特の不穏で不敵な夜景を見ていてふと気がついたのですが…上空の雲に照明が届くほどに高い香港の高層ビル群、ではなくて、高層ビルに照明が届いてしまうほど低い位置にあるこの雲!
ちょっと上空ので冷やされただけで雲になってしまう、地上の湿度の高さを物語っておりました。

【香港冒险纪行03】あたしのビールが冷えないなんて!

中国圏のホテルにトラブルは付き物です。
というより、日本のホテルのサービスがすばらしいのです。
今回宿泊した部屋はToshikoさんと同室のツインルーム。決して広くはないですが、ちゃんとエアコンも聴いてシャワーの水圧も申し分なくかなり快適。
…だと思っていたら落とし穴が。どうやら冷蔵庫の調子が悪く、入れた飲み物が全然冷えない様子。
私は普段冷たい物をほとんど飲まないので、宿泊先の冷蔵庫の存在にはノータッチなのですが、これがToshikoさんには大問題なのでした。部屋で冷たいビールが飲めないなんて!!!
確かに出発前から、夜はバーボンを一本買って滞在中はロックで寝酒宣言をされていたToshikoさん。ところが空港の免税店で売られている洋酒類の高さに意気消沈。そこへ来て、スーパーで買ったビールが冷蔵庫で冷やせないという事態は一大事であります。

それはイカン。という訳で、不肖ワタクシめがフロントに事情を説明しに行ったのでありますが…冷蔵庫って英語で何て言うのサ?
とりあえず
「Our room’s cooler box can’t become cool…」みたいなことを困り顔で言ってみたものの、相手も申し訳なさそうに
「Sorry, your mean…」という感じで通じない。
よしわかった。OK。と、仕切り直して

「电冷箱」と言いながら両手で四角い形をジェスチャー。そして左手でドアを開け、「Drink, Beer, Water…」と、一本づつ中に入れる動作。そして「Not Cool! 不能冷!」とお手上げのポーズ。どうだ?
すると、相手の顔から眉間のシワが消えた!通じた!…のかな???
とりあえず部屋番号を聞かれたので、何か不都合があることはわかってもらえたのだろう。ということで部屋に戻ってしばらくすると電話が鳴る。
出てみればさっきのフロントのお姉さん…が、英語で何か言ってる…orz
これだ。ボディ・ランゲージが使えない電話はお手上げだ。かろうじて「later」という単語が聞き取れたので、後で交換してくれるのだろうと都合良く解釈し、そのまま出かけることに。

しかし、帰って来てみれば取り替えられた気配は無く、中のビールは冷えてないまま。おまけに今度は李さんの部屋のカードキーがエラーしてドアが開かない。
ここはもう一つずつ片付けるしかない。てゆーか、複数の案件を一度に伝えられる自信がナイ(笑)ので、フロントでまず鍵の不調を訴える。これはカードキーそのものが手元にあるので話が早い。最上階に戻って部屋の前で待っていたら、割とすぐにスタッフが来てくれて解決。
するとToshikoさん、そのスタッフを捕まえて私達の部屋に入れ、冷蔵庫が冷えないことを訴える!おお!分かってもらえた!!!スタッフが無線でフロントに連絡し、今度はちゃんと交換してもらえそう♪

安堵して下に買い物に行こうとエレベーターで降りる途中の階で、台車に冷蔵庫を乗せたスタッフが乗って来たじゃ~ありませんか!これを逃してなるものかと張り付く私達!「それ、私達の部屋の冷蔵庫だから!」と、そのまま最上階のボタンを押して部屋までスタッフを連行…じゃなくて案内。
かくして、一挙手一投足を見守る謎の日本人女性二人にとまどいながらもスタッフは作業を完了。そんな彼を拍手で送り出して、やっとのことで冷蔵庫の交換劇は幕を閉じたのでした。

「冷蔵庫の調子が悪いです」
The refrigerator doesn’t works.
冰箱坏了
…リピート・アフター・ミー♪

でも結局、交換した冷蔵庫の冷えもイマイチとのこと。李さんの部屋の冷蔵庫はちゃんと冷えるので、そちらで冷やすことになりましたとさ。。。
冒頭の画像は後日、オープンスペースで昼間っから最高に冷えたビールにありつけた、Toshikoさんの喜びの様子。
私はアイスコーヒー♪

【香港冒险纪行04】電車で行こう、どこまでも

今、私の手元にあるこれ。

これは何かというと、香港の地下鉄の乗車券。
香港の地下鉄はMTRと呼ばれ、日本と同じように券売機で行き先までの金額を入れて乗車券を買い、自動改札を通って乗車します。
改札入る時はSuicaのようにセンサーにピッとかざし、出る時は回収口に入れると回収されるという仕組み。つまり、目的地の駅では回収されて手ぶらで出てくることになる訳なのですが、なんでこれが今でも私の手元にあるのかと言いますと…
出る時に自動改札で回収されず、エラーして戻されてしまったのです。当然、通路は金属製のバーで遮断され、私の後ろの人は大迷惑。

えーーーどうすんのこれ?
日本なら改札にすぐ脇に駅員がいて、事情を説明して通してもらうことができますが、見回してもそれらしき場所も無く駅員もいません。
すると隣の改札を通る乗客の何人かが、別に迷惑がる様子も見せずに何やら指示をくれている。え?何? …バーを乗り越えろ? マジでっ!?
ん〜なコトしたら余計に面倒なことになるんじゃないのーーー?
とは思いつつ、駅員が来る気配も無くラチもあきそうにないので、どっこいせ☆っとバーをまたいで改札の外へ。誰も変な顔をしない。
なるほど、良くあることなんだね。

そういえば滞在中に結構地下鉄に乗ったけれど、駅員って見かけなかったような…
駅のホームでも別に乗客は並ばずに電車に乗り込む。けれども、子供を抱いたお母さんが乗ってくると、座っていた乗客は躊躇なく席を譲る。
ほとんどの乗客がスマホでゲームに興じる姿は日本と同じだけれど(笑)。

とにかく今回の収穫は公共交通機関に乗れたこと。
MTRにしろ路面電車にしろ、香港内の移動手段を体験できたので、次回行きたいところがあれば一人でも行ける。

例えば、今回MTRで通過した駅に「茘枝角」という駅があります。ぼーっと駅名を見ていてどこかで見た字面だなぁ…と、ふと気がつきました。
あ、これライチって読むんじゃなかったっけ?果物の。
英語表記を確認すると確かに「Lai Chi Kok」って書いてある!もしかしたら、ここにはライチ畑とかあったりするのかな!?
これはぜひ次回途中下車して調査してみなければ♪

【香港冒险纪行05】名所観光と人種の坩堝

せっかくなので絶景ポイントで写真も撮ろう!という訳で、香港の街を一望できるという香港島の山の上、ビクトリア・ピークを目指すことに。
香港滞在三日目、相変わらずの好天に恵まれたのは幸いですが、暑い。それでも李さんはほとんど汗もかかず、ほとんど水分も摂らずに飄々と歩く。これはもう生物学的レベルで私達とは違う生き物へと進化しているに違いない。

さて、今回のツアーは香港の街に精通した李さんが案内してくれるとはいえ、私もそれなりに知識を入れておくべきだろうとガイドブックを購入。
マストな観光名所として紹介されていたのが高台のビクトリア・ピーク。実は「景色見たところでお腹いっぱいになる訳じゃないしな~」(←)と、それほど興味も無かったのですが、二日間うろついてみた街がどんな風に見えるのか、それを一望できるというこの場所には行ってみたくなっていたのでした。

フェリーで香港島渡り、今度は中環(Central)駅付近に上陸。ここは鉄道の線は別ですが香港駅にも近い。ビクトリア・ピークに登るには、ここからピーク・トラムというちょっとした観光用山岳鉄道に乗らねばならない。
表示を頼りに山麓駅を目指して歩くと、大通りを渡ったところの階段に案内が出ていて、急勾配の坂道を登った先に山麓駅を発見。
チケット売り場には大行列!!!
しまったーーー。今日は土曜日!せっかく平日も使っての観光だったんだから昨日来ておけば良かった…orz。そりゃそうですよ、世界的な観光地香港きっての絶景ポイントとあれば、世界中から観光客が来ますわな。
悔やんだところで仕方が無い。おとなしく列に並んでやっと乗れたのは一時間後ぐらいだったでしょうか。しかも奥ゆかしい私ら日本人は他民族に圧倒されて座席争奪戦に遅れをとり、通路に立って自分の体重と急勾配の重力に負けじと踏ん張る苦行付き(笑)。

そしてたどり着いた頂上の展望台からの景色は素晴らしいものでした。対岸の九流半島の海岸沿いに建ち並ぶビル群や街がまさに一望。振り向けば香港島の反対側も見渡せる大パノラマ!好天に恵まれたことを素直に喜びました。

下山の列車も大行列を覚悟したのですが、意外に空いてて拍子抜け。山頂にはショップやレストランなどの施設がたくさんあってゆっくり過ごせるようになっているからか、午後2時半ぐらいではまだ降りる人は少ないらしい。

下山して、中環から二階建ての路面電車に乗って湾仔駅を通り過ぎ、銅鑼湾駅付近で遅めの昼食。路面電車では偶然に二階の先頭の席が三つ空き、特等席から香港の町並みを見物することができたのもラッキーでした。
そこから再び湾仔まで歩いてフェリーに乗り、九龍に戻ってまた歩いて歩いて尖沙咀の先の佐敦(Jordan)駅付近へ。
ここは李世福コネクションで訪れた際にいつも宿泊する場所だそうで、李さんがいつも朝食のパンを買うというお気に入りのパン屋さんでおすすめのチャーシューパンとエッグタルトを購入♪ 昼が遅かったので、夕飯はもうここでパンを買って帰ろうということになり、少し多めにトレーに乗せてレジに行くと、オバちゃんが
「三买一送!」と言う。へぇ!三個買うと一個サービスなんだって!じゃあ、じゃあ、この「メロンパンに見えるけど絶対にメロンパンじゃなさそうな」これ一個追加して(笑)。
焼きたてのエッグタルトは五买一送。澳門のエッグタルトとの違いは、外側がパイ生地じゃなくてクッキー生地なところ。どっちも美味い♪

パン屋さんの向かいの公園で休憩がてらエッグタルトを頬張りながら、バスケットコートで3 on 3をしている子供たちをしばらく見ていました。
それにしても人種の坩堝とは良く言ったもので、街を歩いていると世界各国のあらゆる人種が行きかっています。この決して広くはない公園で遊ぶ子供たちの肌の色も様々で、日本から来た私達を含めていったい今ここには何種類の人種が集まっているのだろう?
そして、台湾人のお父さんと中国人のお母さん持つ李さんが日本で生まれ育ってきたように、土地を離れた種が、新天地で根を張ることを繰り返した先の世界はどんな風になっているのだろう。途方もない時間をかけて、でも小さく確実に進んでいる人種のミクスチャー。なんだかそういうものを考えさせられる香港という場所を、私はとても魅力的に感じたのでありました。

【香港冒险纪行06】お待たせしました。ゴハンです。

出発前に「香港に行ってくる」と言うと、何人かから「お腹、気をつけて」と返って来た。これは香港にそういうイメージがあるのか、それとも私だからなのかは敢えて尋ねなかったのですが…
例えばガイドブックを開けば、香港きっての観光スポット近くやホテルのレストランなんかでランチで3,000円~、ディナー8,000~なんて店もゴロゴロありまして、そいうグルメの旅を私がするとは…思ってない訳ね(笑)。

確かにそこにはそれほど興味は無くて、日本で言うところの牛丼とかコロッケ定食みたいなものに惹かれます。簡単に街中でヒョイと入った店で食べられる感じの物ですね。

まずはお粥。どうやら香港の朝食の定番のようで、事前にガイドブックでチェックして行く気まんまんでした。というのも、以前「ピータン粥」を食べてものすごく気に入ったからです。人によってかなり好き嫌いの分かれるピータンですが、冷静に考えると日本で言うところのTKG、つまり「たまごかけご飯」と成分はほぼ一緒な訳ですよ。これが不味い訳がありません。
ちょうどホテル併設のフードコートにチェーンのお粥屋さんが入っていたので、滞在中の朝食はほぼお粥。しかしメニューにはピータン粥から、骨付き牛肉の入ったお粥、白身魚の切り身が入ったお粥、チャーシューやらエビが入った豪華なお粥などなどありまして、毎日通っても飽きません。

で、これがピータン粥。

そしてチャーシュー&エビの豪華粥。

こちらが骨付き牛肉が入ったお粥。

…全部同じじゃないかっ!!!

李さんとToshikoさんと私で違う種類を注文したのに、番号呼ばれてカウンターに取りに行ったら全部同じ!
ちょっと~、これ、間違えてるんじゃないの~? …って、英語で何て言えばいいのさっ!?
もうとっさに出て来たのは北京語の方だったので、カタコトながら「間違ってない?伝票見せてもらえる?」って言ってみたら通じたようで、カウンターの下から伝票出して並べてくれた♪
それでも半信半疑ながら、席に持って行ってレンゲで掻き回してみて納得。

なるほど、お粥というものは具が全部下に沈んでしまう運命にあるらしい。メニューの写真は具材がトッピングされているように写ってたから、てっきりそういう絵面を想像していたけど、あれは撮影用に工夫がしてあるんだな~。
結果的にそれぞれちゃんとお目当ての具材にありつけてめでたしめでたしである。
カウンターのオバちゃん、疑ってごめんね~^^;

この他にも、街中で食べた燻製鴨肉入りビーフンを気に入りました。ほどよくピリ辛で燻製の鴨肉がゴロゴロ入ってて、暑さの中でもバッチリ食欲が湧きます。

一緒に注文した温かい豆乳ドリンクもツボ!そうだ、これ、前に上海のホテルの朝食バイキングで見付けて気に入ったんだった♪

翌日には飲茶も堪能。


しかしどの店でも問題は広東語の料理名が全然わからんことですね。もちろん小籠包とか海老餃子などはなんとなくわかるのですが、せっかくだから珍しい物を注文したいと思っても、見たこともない漢字の羅列じゃ何が出てくるか皆目見当がつかないものばかり。
ということで、決めました。次に行くまでに、料理名だけはわかるように勉強しておこう。

ちなみに鴨肉ビーフンはメモってきました。
「雪菜煙鴨絲炒米」33$ (470円ぐらい)

【香港冒险纪行07】旅は、旅立つ前とその最中と、旅の後。

予想外の長編となってしまった旅行記もやっと最終回。
時間は香港への出発前夜に遡ります。

成田空港へ行くには、ちょっと高いけれど荷物と距離を考えるとやっぱり成田エクスプレスが楽かも。確か中央線乗り入れが…と、調べてみたらあったあった、ありました。立川から乗れるちょうど良い便があったのでネットで即決&クレジットカードで購入!しようとし・た・の・で・す・が!
どうも乗車前にみどりの窓口で特急券(指定席券)を受け取らなければならないらしい。立川に着くのが午前6時前。そんな時間にみどりの窓口ってやってるか?

むおおお…やっちまったか?私…orz
どうもこういう詰めの甘さがイカンのぅ。。。と頭を抱えつつ、何か打開策は無いものかとさらに検索。
すると、あった!!!チケットレスで成田エクスプレスに乗れる手段が!
「えきねっと」のモバイルサイトで購入すると画面を保存しておくだけでチケットレスで検札をパスできます。これは便利でした。
次に飛行機に乗るのがいつになるかわからないので、こうして備忘録として残しておきます(笑)。

かくして、最寄り駅から中央線に乗り、立川へ。
立川で下車すると、なんと同じホームにNEXがやってくる!

わ~い!なんて楽なんだ♪
喜びのあまり、ホームに滑り込んで来るあの迫力あるNEXの顔を記念撮影!

…失敗。ヤツは思いのほか速かった。

しかし乗車したらもうそのまま一気に成田空港まで!ホントにこれは楽だった~♪


さて、今回の旅から帰って来てすでに二週間以上経ってからこの旅行記を書いていますが、改めて楽しい旅だったと実感しています。
書き残すにあたって、もうちょっと写真があれば良かったかな?とも思ったのですが、私はあまり旅先で写真を撮らない方かもしれません。
(もっとも、今回は携帯電話の充電器を忘れてほとんど電源を切っていたせいもあるのですが^^;)
その景色の中にいるその瞬間、またはその光景を目にしたその時にふと、心に思い浮かんだものがあった時に一枚撮っておく。だから後で他人が見たとしたら、なんでこんなモン撮ってるのかわからないという写真ばかり。

今回その筆頭がこれです。

香港行きの飛行機で出てきた機内食(笑)。この添え物の玉子のことを最後に書いておきます。

たかが「ゆで卵の輪切り」の何を?
まぁ考えてみてください。量も盛り付けも均一にしなければならない機内食の献立で、これがどんなにあり得ない物であるかを。本物の玉子一個を輪切りにしたら、その三分の一は大部分が白身で目玉にならなくて使えません。
そう、この玉子はコピー食品。人造イクラやカニカマのようなものです。はんぺんのようなもので出来た白身に、味付きでトロッと半熟の黄身。
なんだ、ニセモノか。ということではなくて…
この模造玉子にはなんだか「夢」があると思いました。
モノを作る技術や設備に於いて、今や日本という国が特別秀でていると自信を持っては言い難いところがあるのだけれど、こういう和食の食文化に根ざした美的感覚や、アイデアを実現させる情熱にかけては少なくともアジア諸国のどこにも負けないんじゃないかと。
そしてどんなに小さくてくだらないことであっても、発想し続けることや、規模はどうあれアイデアを実現させていく活動を絶やさないことが、日本人らしく希望を繋いで行く土台になるのではないのかなと考えたりします。

いや、もう「日本」とか「日本人らしさ」という枠に回帰しようとすることもないのかもしれない。
今、日本人は間違いなく「ランキング好き民族」で、見通しの良くなった世界中から聞こえてくる優劣のレースに一喜一憂し過ぎるせいで、余計に日本というアイデンティテイにしがみつこうとしているのかもしれません。
国家的な絶望や閉塞感の中にあってこそ、一個人に立ち返りそこから社会に関わることがこれからの時代の希望になる。…と、信じてこれからを生きて行くことにしようかな。
旅は、帰って来てからジワジワ来るのがやっぱり好き(笑)。

長々と書いてきましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!