どんすかウネウネ団『琵琶湖おおなまず』

biwako_oonamazu

どんすかウネウネ団

朗読&アンビエント〜コトノハ♪オトノハ♪〜

琵琶湖は日本で一番大きな湖。山々に囲まれ、湖畔には田んぼが広がる緑豊かな里地の情景に乗せて語られるのは、深い湖の底に暮らす大鯰と、湖を照らす美しいお月さんの物語。
作曲と演奏:DummyBouz
作話と朗読:MayGoo

2016年9月17日発売 定価:500円(税込)





※定形外郵便でお届けします。送料別途400円がかかりますm(_ _)m


エピソード

幼い頃、びわこおおなまずという絵本を読んだ記憶はあるものの、どんなお話しだったのか思い出せずにいました。
もう一度読んでみたいとWebで探していたのですが、結局見つけることができず。この、何でも探したり調べたり取り寄せたりできる時代に、手がかり一つ見つからないなんて…。
この時は、月と鯰の歌を作りたかったのでした。美しい月に酔っ払った鯰が湖で暴れるから大地が揺れる…という感じの歌を。ところがうまくまとまらないまま数年温めていうちに、あの東北の大震災が発生。あれだけの大きな犠牲を出した大地震と津波を想起させるような歌を作るなどということはもう無理でした。
それでも、日本一大きな湖と、そこにだけ生息する巨大なナマズは何かの形でモチーフにしたいとは思い続けていて、調べて行くうちに、琵琶湖とそこに実在するビワコオオナマズの魅力にすっかり取り憑かれてしまった私は、いつか琵琶湖を訪れてみたいと考えていました。
そこにはもしかしたら、伝承としてあの絵本「びわこおおなまず」のお話が残っているかもしれない。

いや、もうこの際だ。いっそのこと、私がお話を作ってしまうのはどうだろう?
どんな民話や昔話も、最初は誰かが作ったもの。その時代の誰かが、もしかしたらたった一人の子供のために語ったお話しだったのかもしれない。
確かなのは、そのお話が誰かを楽しませたり悲しませたりして、その心を揺さぶったということ。そうこうしているうちに何十年何百年が経ち、現代から見て古い話・昔話となったということ。
今、この時もいつか昔になって行く。それは昔話が作られた時と同じこと。

よし、書いてしまおう。
放っておいても勝手に積み上がっていく時代に、一枚、しおりを仕込んでおこう。

こうして2泊の琵琶湖行きを決め、実際の琵琶湖とその周辺をあちこち散策しては、お話を膨らませて行きました。
雄大な琵琶湖の表情を眺めながら歩く、長い砂浜。湖をぐるっと一周する路線に乗って豊かな田んぼや山々の見える景色の中で過ごす一日。
遊覧船に乗って渡った竹生島の自然と数々の信仰の証、そこで出会ったトカゲ達や、桟橋からふと覗いた水中を回遊していた大小の魚達。その全てを登場させたくなるほどにイメージは広がっていったのでした。
ちょうどビワコオオナマズの産卵期に当たる時期で、運が良ければ浅瀬に集まってくる彼らを見られるかも…と期待したものの、その産卵場所は明かされておらず、タイミングも難しいということで残念ながら遭遇できず。また、大津の琵琶湖博物館にも立ち寄りましたが、事前に、ちょうど夏休み前の大改装工事の最中でビワコオオナマズの水槽は見られないことを知っていたので、資料探しがメイン。
しかし…図書・資料類の中にも例のびわこおおなまずの絵本は見つからず。それどころか、ビワコオオナマズ自体の資料の少なさに驚いたのでした。散策中にも地元の方に尋ねたりしましたが、その関心の低さにはちょっと拍子抜けさせられるほどでありました。

まぁ、……ナマズですからね^^;

ところが、琵琶湖ガイドブックに乗っていた、有名だという棚田を見に行こうと1時間に1本の路線バスに乗った時、乗客は私一人という貸し切り状態で20分話をした運転手さんから「びわこおおなまず?そういえば自分がこの辺に越してきた昭和48〜50年頃にそんな話を聞いたことがあったな〜」という証言が!
やっぱりあった!!!
でも、現代まで残らなかった…そういうことでしょうか。

東京に戻り、まず撮影してきた画像を音楽担当のどんすかウネウネ団Dummy団長に送信!
物語の作成と並行して音楽の方も進めてもらえるようにイメージを先行で渡したところ、何やら湧き上がるものがあったようで、話を書き上がった時にはほぼ全体の音が出来上がっているという素晴らしい仕事ぶり(笑)。
落書き得意なところも存分に発揮していただき、ジャケット用にナマズくんのイラストも描いてくれました。
この物語を書くにあたって、「昔読んだ“びわこおおなまず”の絵本やお話が消えてしまったからなのだ」という話をすると、大概「記憶違いじゃないの?」という反応だったのですが、Dummy団長曰く、

「きっとお告げだったんだね」

あ、そういうことでいいや。
そう思えるお話を書けたと思います。
また機会を狙って、あの時の路線バスの運転手さんに、おかげさまで完成しました!と、このCDを渡しに行きたいな、ぜひ。
そして琵琶湖博物館にも行って、今度こそ本物のビワコオオナマズに会って来たいと思います!

お寄せいただいた感想

琵琶湖おおなまずを聞いていただいた方々より、嬉しい感想をいただきました♪

  • 完全オリジナルで、しかも実際に琵琶湖に行って来たってすごい!ぜひたくさんの人に聞いてもらいたいです。琵琶湖は日本のヘソ、そこに浮かぶ竹生島は別名「水晶島」とも言われる、神の島。近々行ってみるつもりだったので、ますます楽しみになりました!
  • NHKで流れていそうなくらい、きれいにできていますね。驚きました。若い頃に琵琶湖の近くで過ごした青春時代を懐かしく思い出しながら聴きました。