風の吹かない場所を知らない
いつも空はここにある
思い知らせる力もトゲも
毒も知恵も授からぬ
命だらけのこの星にまた
夜は眠りを連れてくる
うなりを上げて進む何かに踏まれても
根を張り 葉を広げ
風に吹かれて
トゥララ…
数えていたのはただ
巡り来る賑やかな実りの季節
トゥララ…
覚えていたのはただ
降りそそぐ暖かな陽射しの記憶
それだけ
祈りの星は素知らぬ顔で
近づきも離れもせず
騒ぐ世界も明けては暮れて音もなく
降り積もり 溶け流れ 滲みて乾いて
トゥララ…
残して行くのはただ
打ち伏して物言わぬ乾いた骸
トゥララ…
伝えて行くのはただ
降りそそぐ暖かな陽射しの記憶
それだけ