月影

すりガラスに踊る光 隣のビルのネオン
腕の中ぼんやりと 聞いた街の音
二人きりの退屈を逃れる隠れ家
狭い部屋にしみついた夜にくるまり
焼けるような熱い肌に沈みながら呼んでみた
かすれる声 君の名がうまく出てこない

ビルのすき間に月 見失いそうな影を追うたびに
疲れ切って街角で座り込んで泣いていた
あの日と同じ月 見上げた裏通りの月影に
君の声が聞こえたような気がしたよ

探るような指先で手折れるほど弱くない
絡めながら解きながら深く隠して
窓に映る不規則な点滅を数えた
牙も無く横たわり眠る肩越し
独り夜の街を行けば今でも思うよ
臆病で空っぽな二人がいた場所

ビルのすき間に月 いつもよりも大きく見えたのに
届かない距離にとまどって泣いていた
あの日と同じ月 光と光 影と影と影
君の声に呼ばれたような気がした

ビルのすき間に月 見失いそうな影を追うたびに
疲れ切って街角で座り込んで泣いていた
あの日と同じ月 今さら話すことなどないのに
君の声が あの声が聞きたいな


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