【香港冒险纪行01】香港でLiveする日が来るとは…

晴天の香港に到着するなり李さんが言った。
「メイグーさん、今日はMCは全部メイグーさんがやってください^^」
「はわ?^^;」
「日本語でいいですから。その方がお客さんも外国からのバンドらしいって喜びますから」
「わ…わかりました。。。」

今回の李世福&ToshiMaygoo香港ツアーの目玉、香港は湾仔のLive Ber “The WANCH”でのLiveは出発間近になって楽器の輸送に高額な輸送費がかかることが判明。李さんのギターとToshikoさんのベースの持ち込みを諦めて、現地で借りることになるというちょっとした不安要素を抱えながらの旅となりました。
ドラム一式はWANCHにあるセットで問題ないと聞いていたので、私はペダルとスティックだけ持って行くことに。
でもな~意外とペダルって重いしかさばるしな~。
トランクは大きめサイズだから余裕で入るっちゃ~入るけどな~。
この際だから現場の使わせてもらって、ちょっとでも楽しちゃおうかな~(^_^;)
でもやっぱり…。まぁこの際だし…。いや、でもそれは…。
とか悩みながらトランクから出したり入れたりを繰り返した挙句、やっぱり持って行くことに。

「コイツがペダルに生まれて私の元にやってきたのも何かの縁だ。このままただのペダルで終わるかもしれないコイツを『香港に行ったことのあるペダル』にしてやろう!よし、連れて行く!」

これが理由。

私があまり物に頓着しない(ように見える)のは、実は物を擬人化しがちというか人格(物格?)みたいなものを潜在的に意識したり怖れたりするところがあるからで、そういった性質は健全な社会生活を営む上でほどほどにバランスを取る必要があるからです(笑)。

さて、朝10時のフライトで成田を飛び立ち、香港国際空港に到着したのは4時間後の午後2時。WANCHでのLiveの出番は午後11時45分(!)ということで、一旦ホテルに行って荷物を置き、香港の街を散策することに。

ところで、香港って島の集合なんですね。
香港と聞くとあのブレードランナーに出てくる薄暗くて煌びやかな電飾のごちゃ混ぜアジア丼みたいな景色や、世界各国のバックパッカーやら商人がたむろする東洋ヒッピーのワールドカップのような街角を想像しますが、その国土については良く知りませんでした。
実は中国大陸と地続きの九龍半島と、その先に散らばる実に200もの島で形成されているのが香港、つまり中華人民共和国香港特別行政区。
飛行機の窓から香港空港着陸前に海上に点在する島の様子を見ることができました。が、ほとんど「山岳地帯」です。
今回滞在したホテルは九龍半島の西側に出島のように埋め立てられた青衣という場所なのですが、地図で見た感じだと半島の横にあった山ばかりの島の周囲を埋め立てて、半島から道路一本で繋いだ様子。
山を切り崩すよりも海を埋め立てた方が効率が良いんでしょうね。日本もそうだけど、海外との貿易に主眼を置くと、内陸を開拓するより海側に発展して行くのだということが良くわかります。
かくして、青々とした自然とガチガチの人口都市があまりにも背中合わせに存在する場所ばかり。おかげで都市に密集する人口が半端ないことになっている様子^^;

ちょっと話がそれましたが…
とにかく私とToshikoさんは初の香港!街を知り尽くした李さんの後ろにくっついて街をぶらつくことになりました。
青衣駅から地下鉄に乗り、九龍半島のほぼ先端の尖沙咀へ。露店のひしめく男人街でお土産物を物色し、早めの晩御飯に海老ワンタン♪

暗くなってからフェリーで香港島に渡り、Live Barのある湾仔へ。
しかし覚悟はしていましたが、御年60歳越えの李さんは歩く歩く歩く!見失わないように必死でついて行くToshikoさんと私。

WANCHに着くと夜の11時過ぎにもかかわらず店の外にまで溢れる人だかり。店のドアは開け放たれ、往来に響き渡る大音量の演奏。今の日本ではどこへ行っても考えられない環境です(笑)。


店の外で休憩しながら様子を伺っているところに、今回のブッキングをお世話していただいた梅津さんがギターとベースを抱えて到着!そう、直前に判明した楽器輸送費問題は、現地在住の梅津さんからお借りすることで解決していたのでした。
ありがたやありがたや♪
お店のオーナーさん、スタッフさんを紹介していただき、予定時刻も大幅に押した午前0時半過ぎにLiveスタートとなったのでありました。

いつものようにインストの曲で始まり、一曲目が終わったところで、あ…ああああ挨拶しなきゃ~!(^_^;) に…日本語でいいって言ってたよな~…
ま、でもね、日本語だろが何語だろうが、聞き手にとって言ってることがわからないというのはストレスです。だからこういう時は「表情」がすべてです。
いわゆるボディ・ランゲージというヤツで、しっかり客席に顔を向けて、手をふったりして笑顔を忘れず、声のトーンは明るく少し高めに、言葉は努めてハッキリしっかりした日・本・語・で、

「香港の皆さん、こんばんは!
日本からやって来ました、李世福&ToshiMaygooです!
いつも主に日本の横浜というところでLive活動をしていますが、今回はこのバンドでは初の香港Liveです。このLiveは私たちにとってとても良い思い出になります!今夜は皆さんも一緒に楽しんでください!ありがとう!」

…というようなことを言ったかな?
すると、先ほどの梅津さんがマイクを引き継いで、英語で私たちを紹介してくれました。私のMCも訳してくれたようで、うんうん^^という空気が会場に流れたので一安心。
しかし…演奏中に客席に目をやると、地元のお客さんや先ほど演奏していたバンドの人達の顔が見えるのですが、何だかみんなに「微笑ましい」って顔で見られてるような…^^;??? いいの?李さん?このバンド、果たしてこういうイメージでい良かったん…で…しょう…か…???

まあ、そんなこんなで無事にShow Timeを終えると午前1時半を回っておりました。
それでもまだ人が店内や表の通りにウロウロしているって…あの~皆さん明日はまだ金曜日ですよね?仕事は大丈夫なんでしょうか?
ここで誰かに「知らないの?月火水木金土日なんて曜日の振り分けは日本だけなんだよ」なんて言われたら信じるところでしたよ、100%。

機材の片付けをしている間に、李さんとToshikoさんはお客さんからツーショット写真を求められて撮影会。李さんのことをご存知の現地の方と記念撮影とか♪

(写真はLive中のものも含め梅津さん撮影してくれたものです^^)
一息ついて外に出ると、表にたむろしてた若者が「Drum! Drum!」と声をかけてくれたりで握手してお礼言ったりして。
また来てね!また来るね!と、お客さんやお店の方とも挨拶してからタクシーでホテルに向かい、シャワーを浴びてベッド入ると午前5時。今朝、飛行機に乗るために朝起きたのが午前4時半。時差は一時間程度なので、ほぼ24時間起きてたことになりますな^^;
こうして香港ツアーの長い一日目が終わったのでありました。