【香港冒险纪行05】名所観光と人種の坩堝

せっかくなので絶景ポイントで写真も撮ろう!という訳で、香港の街を一望できるという香港島の山の上、ビクトリア・ピークを目指すことに。
香港滞在三日目、相変わらずの好天に恵まれたのは幸いですが、暑い。それでも李さんはほとんど汗もかかず、ほとんど水分も摂らずに飄々と歩く。これはもう生物学的レベルで私達とは違う生き物へと進化しているに違いない。

さて、今回のツアーは香港の街に精通した李さんが案内してくれるとはいえ、私もそれなりに知識を入れておくべきだろうとガイドブックを購入。
マストな観光名所として紹介されていたのが高台のビクトリア・ピーク。実は「景色見たところでお腹いっぱいになる訳じゃないしな~」(←)と、それほど興味も無かったのですが、二日間うろついてみた街がどんな風に見えるのか、それを一望できるというこの場所には行ってみたくなっていたのでした。

フェリーで香港島渡り、今度は中環(Central)駅付近に上陸。ここは鉄道の線は別ですが香港駅にも近い。ビクトリア・ピークに登るには、ここからピーク・トラムというちょっとした観光用山岳鉄道に乗らねばならない。
表示を頼りに山麓駅を目指して歩くと、大通りを渡ったところの階段に案内が出ていて、急勾配の坂道を登った先に山麓駅を発見。
チケット売り場には大行列!!!
しまったーーー。今日は土曜日!せっかく平日も使っての観光だったんだから昨日来ておけば良かった…orz。そりゃそうですよ、世界的な観光地香港きっての絶景ポイントとあれば、世界中から観光客が来ますわな。
悔やんだところで仕方が無い。おとなしく列に並んでやっと乗れたのは一時間後ぐらいだったでしょうか。しかも奥ゆかしい私ら日本人は他民族に圧倒されて座席争奪戦に遅れをとり、通路に立って自分の体重と急勾配の重力に負けじと踏ん張る苦行付き(笑)。

そしてたどり着いた頂上の展望台からの景色は素晴らしいものでした。対岸の九流半島の海岸沿いに建ち並ぶビル群や街がまさに一望。振り向けば香港島の反対側も見渡せる大パノラマ!好天に恵まれたことを素直に喜びました。

下山の列車も大行列を覚悟したのですが、意外に空いてて拍子抜け。山頂にはショップやレストランなどの施設がたくさんあってゆっくり過ごせるようになっているからか、午後2時半ぐらいではまだ降りる人は少ないらしい。

下山して、中環から二階建ての路面電車に乗って湾仔駅を通り過ぎ、銅鑼湾駅付近で遅めの昼食。路面電車では偶然に二階の先頭の席が三つ空き、特等席から香港の町並みを見物することができたのもラッキーでした。
そこから再び湾仔まで歩いてフェリーに乗り、九龍に戻ってまた歩いて歩いて尖沙咀の先の佐敦(Jordan)駅付近へ。
ここは李世福コネクションで訪れた際にいつも宿泊する場所だそうで、李さんがいつも朝食のパンを買うというお気に入りのパン屋さんでおすすめのチャーシューパンとエッグタルトを購入♪ 昼が遅かったので、夕飯はもうここでパンを買って帰ろうということになり、少し多めにトレーに乗せてレジに行くと、オバちゃんが
「三买一送!」と言う。へぇ!三個買うと一個サービスなんだって!じゃあ、じゃあ、この「メロンパンに見えるけど絶対にメロンパンじゃなさそうな」これ一個追加して(笑)。
焼きたてのエッグタルトは五买一送。澳門のエッグタルトとの違いは、外側がパイ生地じゃなくてクッキー生地なところ。どっちも美味い♪

パン屋さんの向かいの公園で休憩がてらエッグタルトを頬張りながら、バスケットコートで3 on 3をしている子供たちをしばらく見ていました。
それにしても人種の坩堝とは良く言ったもので、街を歩いていると世界各国のあらゆる人種が行きかっています。この決して広くはない公園で遊ぶ子供たちの肌の色も様々で、日本から来た私達を含めていったい今ここには何種類の人種が集まっているのだろう?
そして、台湾人のお父さんと中国人のお母さん持つ李さんが日本で生まれ育ってきたように、土地を離れた種が、新天地で根を張ることを繰り返した先の世界はどんな風になっているのだろう。途方もない時間をかけて、でも小さく確実に進んでいる人種のミクスチャー。なんだかそういうものを考えさせられる香港という場所を、私はとても魅力的に感じたのでありました。